2010 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科における花粉管誘導因子の種間変異による生殖隔離機構とその進化過程の解明
Project/Area Number |
07J03960
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
十河 暁子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シロイヌナズナ / 花粉管 / 胚珠 / 花粉管誘導 / 変異体 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究ではモデル植物シロイヌナズナを用いて,花粉管誘導に関わる因子を特定することを目的としている.今年度は前年度までに引き続き,花粉管誘導に異常を示す新規変異体の単離のために次の解析を実施した. 雌性配偶体特異的に発現する遺伝子群のリスト化とその遺伝子の破壊株の解析 雌性配偶体と花粉の両方が形成できない変異体(SPOROCYTELESS,spl)と花粉のみが形成できず雌性配偶体は正常に形成する変異体(MALE STERILITY 1, msl)を用いて,雌しべのマイクロアレイを行い,msl変異体でspl変異体の5倍以上の発現量があることが分かった遺伝子群を,雌性配偶体で発現する遺伝子群としてリストアップした.この遺伝子群のうち上位150についてSALKラインなどから破壊株を入手し,花粉管誘導に異常があるラインを探索した.まず,ラインごとに次世代の分離比を調べ,分離比が1:1に近かったラインについては耐性株を育て,できたさやを観察して種つきに異常があるものを候補として残した.次に,候補となったラインについて,再び播種・育成して,花を採取・固定し,花粉管伸長をアニリンブルー染色により観察を行った,その結果,2ラインについて花粉管伸長に異常があり,約半数の胚珠に花粉管が全く入っていないことが明らかとなった.またその2ラインについては,胚珠の発生の観察も行い,その結果,胚珠の発生が途中で止まっていることが分かった.また,このうちの1ラインについては,原因遺伝子と考えられる遺伝子の別のタグラインを取り寄せ,そのラインについても同様の観察を行った.その結果,花粉管伸長にも胚珠の発生にも同様の異常がみられた.今後はこの表現型の原因遺伝子を特定するとともに,promorter-GUS法によってこの遺伝子がどこで発現しているのかを明らかにすることを試みる予定である.
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