2007 Fiscal Year Annual Research Report
現実的核力を用いた殻-クラスタ-状態の共存・競合の統一的研究
Project/Area Number |
07J03978
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀内 渉 Niigata University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 原子核構造 / 現実的核力 / クラスター / テンソル力 |
Research Abstract |
原子核における分子的状態はとりわけ軽い原子核の励起状態に良く現れる。昔からの有名で未解決な例として^<16>Oの不思議な0^+と呼ばれる異常に低い励起エネルギーを持った準位は、基底状態が閉殻なのに対して励起状態ではアルファクラスターが発達し、通常の殻模型的アプローチでは再現することが難しい。そこで本研究は殻模型的とクラスター的状態を同時に記述できる芯核+4核子の5体模型の解析を行うことによってその準位の再現を試みる。核子間に現実的核力を用いることにより、非中心力の効果、とりわけテンソルカに着目し評価する。また、アルファ粒子の波動関数との重なりを調べることで、クラスター生成消滅に対して定量的な議論をすることが可能となる。 本年度は相関ガウス関数+ダブルグローバルベクトル基底を新たに非中心力も計算出来るよう拡張し、現実的核力で相互作用する核子系の波動関数を求める計算コードを開発した。この基底は系の全角運動量、全軌道角運動量、スピン、アイソスピンを指定さえすれば、系がクラスター的であるか殻的であるかの仮定なしに波動関数を求めることができる。さらに原理的には核子数の制限がない一般的な枠組みである。この方法の有効性を示すため、^4Heの基底状態に対してテスト計算を行い、知られている結果と良い一致を得た。さらにその応用として^4Heの励起状態.を解析し、殻的またはクラスター的状態を同時に記述できることを示した。今後は芯核-核子ポテンシャルを決定し、本研究課題の目標である芯核を含めた5体計算を行う。
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Research Products
(11 results)