2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
永谷 直久 The University of Electro-Communications, 大学院・電気通信学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Vision / Vestibular / Motion Sickness |
Research Abstract |
本年度は,前庭感覚電気刺激(GVS)の視覚への影響に関する研究の次年度にあたり,最終年度に向けて前庭感覚提示を用いたインタフェースの設計を行うためのさらに詳細な知見を探った年度であった.具体的には前庭感覚を他の感覚と組み合わせることで得られる効果を臨場感の向上や映像酔いといった観点から評価するために,特に視覚との相乗効果に関して知見を広げることができた.視覚システムの機序を利用して,裸眼では鮮明に観察することができない運動物体を観察することができるデバイスであるStop Motion Goggleを開発し,その効果の定量化を行った.また,速度知覚など高次の視覚処理への影響などに関する実験なども行った.これは単体としては視覚による速度知覚ということでまとまってしまうが,速度の変化が加速度であるということを踏まえると,今後前庭感覚との同時刺激によって主観的な知覚はどのように変化するのか興味深い話題である. 一方で,別の観点から前庭感覚と視覚が及ぼす影響に関する知見を得るために,2008年の11月から2009年の3月までの4ヶ月間,フランス共和国の国立研究所であるINRIA/IRISAにフィールドワークに赴き,一人称視点映像からの視覚刺激に対して,どのようなタイミングで前庭感覚を提示すると知覚される主観評価は変化するのかということを『臨場感』や『移動感覚』,そして『酔い』といった項目で評価するための実験系を構築した.実際の実験は今後行っていく予定である. 成果発表としては,前述したStop Motion Goggleに関するものがほとんどであり,論文賞などを受賞した.全体として,今年度は前庭感覚と視覚それぞれを単体の感覚としてではなく相補的にとらえることができたという意味で,最終年度に向けてよい基盤ができた.
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Research Products
(1 results)