2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨材回収型完全リサイクルコンクリート技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
07J04012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻埜 真人 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 再生コンクリート / リサイクル / 再生骨材 / マイクロ波加熱 / 誘電材料 / シリカフユーム / 副産微粉 / エポキシ |
Research Abstract |
本研究では、既往の研究において達成困難であった骨材回収性能と力学性能のトレードオフ関係にある性能を両立させ、さらにコンクリートのリサイクルを低エネルギーで実現する技術の確立を目的としている。 初年度は、骨材とセメントマトリクス間の機械的摩擦力および化学的結合力の向上を可能にする改質材料を骨材表面に付着させ、コンクリートの弱点部とされる遷移体を改善し、コンクリートの力学性能および耐久性能の向上を実現する硬化特性向上技術とこの改質材料の更に骨材側に高い誘電率を有する材料を予め塗布しておき、再生骨材製造時にこの部分をマイクロ波によって選択的に加熱、脆弱化させ、低エネルギーで高品質な骨材を回収し、骨材の完全リサイクル化を実現する選択的加熱技術を提案し、骨材回収型完全リサイクルコンクリートの確立を目指した。この提案技術によって、『コンクリートの力学性能と骨材回収性能』および『エネルギー消費量と骨材品質』の二つのトレードオフ関係を同時に達成することが可能である。さらに、コンクリート性能を向上させることで、建築物を延命化する環境負荷低減効果を加えた提案技術はまさに夢の技術である。 検討の結果、骨材表面に適量のシリカフュームおよび副産微粉を付着させることで、コンクリート性能を向上させることが可能であり、酸化鉄を含むエポキシ樹脂を骨材表面へ塗布し、マイクロ波加熱を利用することで、低エネルギーで高品質な骨材を回収することが可能である。すなわち、『コンクリートの硬化性能と骨材回収性能』および『エネルギー消費量と骨材品質』の二つのトレードオフ関係を同時に達成することが可能となった。さらにコンクリートの耐久性能を向上させることで、建築物を延命化する環境負荷低減効果を加えた夢の技術が完成したと結論づけた。なお、初年度に得られた成果は、先進的な技術確立であることから特許出願(平成20年1月11日)を行った。
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Research Products
(2 results)