2008 Fiscal Year Annual Research Report
望ましい基準を満たすマッチングルールの構築可能性の研究
Project/Area Number |
07J04018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 翔平 Osaka University, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メカニズムデザイン / マッチング |
Research Abstract |
医師(研修医)と病院、学生と学校などの二つの集合の問に対応関係をもたらす規則をマッチングルールと呼ぶ。マッチングルールは、医師、学生、病院、学校といったマッチされる当事者の希望に基づいてお互いを振り分けるものである。当事者の希望を反映させるといっても、どのような基準に基づいて反映させればいいのか、望ましい基準があったとしてその基準を満たすような振り分け方(ルール)がそもそも存在するのかといった問題が存在する。そのような問題のことをマッチング問題と呼ぶ。 現在医療制度マッチングなどで採用されている基準は、パレート効率性と呼ばれる経済学の最も主要な効率性の基準を満たしているが、虚偽の希望を表明したほうが得になるという状況がありえるため、そのような虚偽の希望を基にして振り分けられた結果は本当の希望に対して全体として効率的な結果となっていない可能性がある。よって、虚偽の表明を完全に防止する基準を満たすようなルールの構築可能性を探ることは非常に重要となる。 昨年までに、虚偽表明を完全に防止するようなルールで最小限の効率性を満たすようなものを非常に一般的なモデルにおいて構築できるということを発見していたが、それに関する証明が煩雑であり理解しがたいものであったので、より簡潔なものに訂正した。また、現在の日本において非常に問題となっている医療制度マッチングにおけるルールについて、地域によって振り分けられる研修医の偏りをなるべく減らすようなもので、望ましい基準を満たすルールの構築可能性を探っている段階である。
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