2008 Fiscal Year Annual Research Report
好気性グラニュールを用いた高効率型水処理技術の開発
Project/Area Number |
07J04112
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
岸田 直裕 National Institute of Public Health, 水道工学部, 研究員
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Keywords | グラニュール / 好気性グラニュール / 生物学的排水処理 / 微生物生態学 / 水処理 / 窒素・リン除去 / 下水処理 |
Research Abstract |
好気性グラニュール法は既存の処理技術に代わる新しい高効率な水処理技術として期待されているが,研究の歴史は浅く,詳細な形成メカニズムは未だに明らかとなっておらず,また形成可能な反応槽にも限りがあるのが現状である。そこで本年度は,これまで報告例の無い連続流入式反応槽を用いた従属栄養性の好気性グラニュールの形成に挑戦した。 連続流入式の反応槽である上向流好気性流動床を用いて好気性グラニュールの形成を試みた。その結果,アンモニア酸化反応が良好に進行している反応槽でのみグラニュールの形成が確認された。このことから,アンモニア酸化細菌の存在が,連続流入式反応槽を用いた従属栄養性好気性グラニュールの形成において重要な役割を果たしていると予想された。この仮説を検証するため,アンモニア酸化阻害剤であるアリルチオ尿素(ATU)を添加した系と添加しない系でグラニュール形成能の比較を行った結果,阻害剤を用いてアンモニア酸化反応を抑制した系では,グラニュールの形成が確認されず,阻害剤を用いない系では形成が確認されたことから,本仮説は正しいと考えられた。 以上のことから,連続流入式の反応槽を用いても,アンモニア酸化細菌を存在させることで,好気性グラニュールの形成が可能であることが明らかとなった。連続流入方式の反応槽は,これまで多数の形成報告例があった半回分式(間欠流入式)の反応槽と異なり,世界中で広く採用されていることから,本研究成果は好気性グラニュールを用いた水処理技術の普及に大きく貢献できると考えられる。
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Research Products
(5 results)