2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04141
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今村 健一郎 Keio University, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スキルサイエンス / インタラクション / 情報視覚化 / 情報可聴化 / 時系列パターン認識 / 信号処理 |
Research Abstract |
本研究では,個人レベルから集団レベルまでスケールの様々な「巧」という現象を,「協調性」という変数に基づき解釈していくための一歩として,1対1駆け引きの「巧」について検証した.具体的には,「駆け引きの成功/失敗に関わる要因は何か」という問いに取り組んだ.その結果,駆け引きの成功失敗に関与する物理変数は,仕掛け直前の攻者と守者の重心相対速度及び位置関係であることが明らかになった(駆け引き結果との適合率が82.5%).また,守者の姿勢を「崩す」ことで,守者を外しやすくなることを明らかにした.以上の結果を踏まえて,スポーツ実践者の視点に立ち,「どうすれば駆け引きが上達するか」という問いかけに言及している.現在は,より現場に近いレベルでの計測を行うという方針に基づき,三軸加速度センサをプレーヤーの身体に装着し,Zigbee規格による無線通信を通じて,簡易に1対1駆け引きの様子を取得できるようなシステムを構築している.1対1駆け引きをデータとして取りためることで,1対1の駆け引きの「巧」や個人の癖などの認識が可能になるようなデータベースを構築して行くということが目下の目標である.このようなシステムを実際のフットサルチームに適用して行くというプロジェクトも現在遂行中である.このような時系列情報を取りためていけるロギングシステムの構築が実装されれば,1対1駆け引きに留まらず,様々な目的のためのスポーツログシステムの基盤が構築されると考えている.
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