2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細川 武稔 The University of Tokyo, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 中世史 / 寺社 / 京都 / 神仏習合 / 北野天満宮 / 神宮寺 / 観音 |
Research Abstract |
1、北野天満宮の神仏習合については、神宮寺だった東何観音寺(京都市上京区)の史料調査を8月1〜2日、9月3〜4日、3月28〜29日の計3回行い、全史料についての調書作成を終えた。加えて、重要な史料についての分析も行った。このほか、東京大学史料編纂所蔵『光乗坊文書』の現物を実見し、史料編纂所データベースの目録および科学研究費補助金研究成果報告書、『北野天満宮旧蔵文書・古記録の目録作成および研究』と照らし合わせて現状を確認するなど、今後の具体的な分析に向けての準備作業を行った。また、平成19年度には奈良国立博物館の「神仏習合」展をはじめ、白山や熊野などにおける神仏習合をテーマとした展覧会が多く開催された。それらの見学を通じて、北野天満宮の神仏習合について考えるための材料を多く得ることができた。 2、京都における三十三所観音については、8月5日、江戸時代の三十三所(跡地も含む)を実際に歩いてみた。その結果、気象状況等にもよるが、一日で巡礼することが可能であることを確認することができたほか、江戸時代の標石を新たに確認することができた。史料収集は主に京都府立総合資料館で行った。『神仏仏閣都いろは分早引』など、活字になっていない史料を中心に調査を行い、三十三所の変遷を示す重要な記述を発見するなど、多くの成果を得た。個別の寺院では、泉涌寺を数回訪れ、中世から近世への札所の変化について検討した。また、雨宝院(京都市上京区)に安置されている洛陽三十三所観音像の調査を行い、厨子に記されている願主・施主、奉納札に記されている奉納年次などを確認した。このほか、京都と比較するという目的で、坂東や大阪、山形の三十三所観音についても史料収集や見学を行った。
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Research Products
(2 results)