2007 Fiscal Year Annual Research Report
多波長、近赤外線偏光、水素分子純回転輝線観測による大規模サーベイから探る星形成
Project/Area Number |
07J04180
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
羽田野 裕史 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天文学 / 近赤外線 / 偏光 / 銀河系 / 星間塵 / 星間磁場 / 星形成 |
Research Abstract |
まずデータ取得のため、本年度は2回南アフリカ共和国に渡航し、IRSF望遠鏡を用いて近赤外線(JHK_sバンド)による偏光観測を行った。6月末から7月末にかけての1ヶ月間で銀河系中心領域の観測を行い、10月には3週間かけて銀河系中心領域と大小マゼラン雲に存在する星形成領域の観測を行った。銀河系中心領域の観測についてはこれまでに観測を予定している領域の約半分の観測を完了した。 非常に膨大な量のデータを解析するために、観測データから点源を検出し、個々の点源の位置と明るさと偏光情報を自動的に計算する一連のプログラムを作成した。作成したプログラムを用いて取得した銀河系中心領域のデータの一部を解析した。今現在この銀河系中心領域の解析データから偏光の波長依存性を調べている。天体からの光が偏光する原因として(A)星間磁場によって整列した細長いダストによる散乱・吸収、(B)星周ダストによる散乱、の二つが挙げられる。(A)のメカニズムによって起きる星間偏光は波長依存性を持っていることが知られており、かつてないほどの膨大な量のデータからより高い精度で近赤外域(JHK_sバンド)での波長依存性を測ることが出来ると考えている。近赤外域での星間偏光の波長依存性を把握出来れば、星間偏光とは異なる波長依存性を持つ(B)のメカニズムによる偏光を起こしている特異天体(星周ダストをまとう若い天体や年老いた天体)を、可視光線、中間・遠赤外線を含む多波長の観測データも用いて探査を行い、銀河系中心領域における星形成活動を調べることが可能になると思われる。
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Research Products
(2 results)