2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝情報を活用した竹林の成立過程の解明と保全に関する資源植物学的研究
Project/Area Number |
07J04200
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大野 朋子 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | タケ類 / 遺伝情報 / 民族植物学 / 中国 / 資源植物 / 少数民族 / 多様性 / 景観生態学 |
Research Abstract |
タケの景観資源および遺伝資源保全に関する基礎的知見を得るために、本年度は、系統解析のためのシーケンス分析、中国とタイにおける民族植物学的調査、候補地のGIS分析を行い、都市近郊におけるタケの雑草化について国際会議で研究報告を行った。中国雲南省、タイのフィールド調査で得た計61個のタケの葉のサンプルから改変CTAB法を用いてDNAを順次抽出し、葉緑体DNAのtrnL-F領域の塩基配列を決定した。予備的に系統樹を作成した結果、日本の温帯性のタケ類とタイや中国の熱帯性のタケ類との間には系統的な違いが見られたものの、trnL-F領域には属や種の違いはみられなかった。種やクローンの識別に必要な変異サイトを提案するため、プライマーを設計し、分析している。フィールド調査では、分析資料のサンプリングと共にタケ類の利用と多様な形態と分布状況について調査し、その結果の一部をBamboo Journalに投稿し、現在印刷中である。調査を行った少数民族の集落内には、栽培種や野生種など多数のタケ類が栽培されており、タケ類の利用の実態と合わせて人間に持ち込まれ栽培されているタケ類の来歴の調査が重要と考えられた。景観生態学的な解析では、集落周辺に竹林が多く分布し、水路に沿って竹が植栽されていることがGISとリモートセンシング技術を用いてQuick Bird衛星データから確認された。竹林の数量的解析を現在進めている。スリランカでのAsian Pacific Weed Science Society(APWSS)に参加し、日本の竹林の野生化の現状と今後の対策についてポスター発表で、情報交換した。
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Research Products
(2 results)