2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
韓 志晩 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 東アジア / 唐・宋・元代 / 高麗時代 / 仏教交流 / 禅宗 / 寺院建築 / 伽藍構成 / 桧巌寺 |
Research Abstract |
(1)中国における禅宗寺院の成立と展開に関する研究(前年度研究の補足) (1)唐代における初期禅宗寺院 -伽藍の構成要素(仏殿、法堂、方丈、僧堂、庫院など)、僧侶の組織を中心に、百丈懐海(749-814)によって独立した初期禅宗寺院と既存の寺院との関係を明らかにし、また禅宗寺院史における百丈懐海の位置づけをし直した。 (2)宋・元代の禅宗寺院 -宋代以降の禅宗寺院を特徴づける僧堂の建築的な原形が、唐代の寺院の食堂であることを究明。 -元代の禅宗寺院における伽藍構成の変化の一面として、寝堂が法堂と方丈とに吸収され、伽藍の中からその姿が消え、最後は方丈内の一空間として名称のみが残存するようになっていく過程を究明。 (2)韓国における禅宗寺院の成立と展開 (1)統一新羅末-高麗初期における九山禅門寺院 -9世紀から10世紀前半にかけて、主に入唐留学僧たちによって成立した九山禅門寺院の沿革、開山祖の活躍、伽藍の立地、配置、構成要素、そして当時の中国(唐末・五代十国)の禅宗寺院との関係を分析した。 (2)高麗後期の禅宗寺院:松広寺 -「大乗禅宗曹渓山修禅社重創記」(1207)、「修禅社形止記」(1221頃)、『曹渓山松広寺史庫』(1928編集)の分析に基づいて、高麗時代(918-1392)後期に、宋からの直接的な影響がない状況で禅宗を中興させた知訥(1158-1210)が拡張(1025)した松広寺の伽藍構成を把握し、それと宋代の禅宗寺院との比較考察を行った。 (3)高麗末の禅宗寺院:桧巌寺 -高麗末に入元留学(1347-58)僧の懶翁慧勤(1320-76)が拡張(1376)した桧巌寺について、寺址の発掘遺構と文献史料(李穡の「天宝山桧巌寺修造記」など)の分析及び中国の禅宗寺院との比較分析に基づいて伽藍配置の復原考察を行い、伽藍構成上の特徴を東アジア禅宗寺院史の中で位置づけることを試みた。
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Research Products
(3 results)