2009 Fiscal Year Annual Research Report
不斉自己触媒反応を用いる不斉の起源とホモキラリティーの研究
Project/Area Number |
07J04215
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 健太 Tokyo University of Science, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不斉自己触媒反応 / 不斉開始剤 / ピリミジルアルカノール / キラル結晶 / シトシン / 炭素同位体 / 不斉認識 |
Research Abstract |
アキラルな有機化合物の中には、キラルな空間群に属し、結晶状態でのみ不斉を有するキラル結晶が知られている。本研究では、アキラルな核酸塩基シトシンの結晶に着目して研究を行った。すなわち、シトシンの水溶液より析出させたシトシン一水和物のアキラル結晶を加熱し、結晶水を除くことで、キラル結晶へと変化することを見出した。さらに、加熱する面と得られるキラル結晶に相関性を見出した。脱水により生成したシトシンのキラル結晶を不斉開始剤として用い,ピリミジンカルバルデヒドとジイソプロピル亜鉛との不斉自己触媒反応を行なったところ,用いたシトシンのキラル結晶のキラリティーと立体相関性のあるピリミジルアルカノールが高収率かつ高鏡像体過剰率で生成した。本結果は、アキラル結晶の面を選択的に加熱することで、任意の不斉結晶を発生することを見出した。次に、超高感度不斉認識能を有する不斉自己触媒反応に着目し、炭素同位体置換による不斉の認識が可能であるか研究を行った。一方のメチル基が炭素同位体で置換されたメチル-^<13>C-メチルフェニルメタノールを不斉開始剤として用い、ピリミジンカルバルデヒドとジイソプロピル亜鉛との不斉自己触媒反応を行なったところ,用いた不斉開始剤のキラリティーと立体相関性のあるピリミジルアルカノールが高収率かつ高鏡像体過剰率で生成した。さらに、炭素同位体置換による不斉を有するフェニル-1, 2, 3, 4, 5, 6-^<13>C_6-フェニルメタノールなども、不斉開始剤として有効に作用した。本結果は、不斉認識が困難である炭素同位体置換による不斉有機化合物であっても、不斉自己触媒反応の不斉開始剤として用いることで、不斉認識が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(13 results)