2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04236
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 新也 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 数論的基本群 / Hermite-Minkowskiの定理 / ガロア表現 |
Research Abstract |
代数的整数論における基本的な定理のひとつに、代数体の拡大体の有限性に関するHermite-Minkowskiの定理と呼ばれるものがある。これは多くの数学的対象の有限性を示す際に用いられる非常に重要な定理である。 今年度の研究では、この定理を、代数体の分岐制限つきガロア群の性質(Smallness)と読み替えることで、その高次元化を得ることが出来た。具体的には、分岐制限つきガロア群のSmallnessを、代数体の整数環の定める一次元アフィンスキームの開部分スキームの数論的基本群(エタール基本群)のSmallnessとみることで、その高次元化である数論的スキーム、すなわち代数体の整数環上有限型、平坦かつ連結なスキームの数論的基本群のSmallnessを得ることが出来た。 当初の研究計画では、より条件の強いスキーム、すなわち、代数体の整数環上有限型,忠実平坦かつproperで,幾何的生成ファイバーが既約であるようなスキームからnormal crossing divisorを取り除いたもの、に対して示すことが目標であった。今回九州大学の平之内俊郎氏との共同研究により、大いに条件の弱い、より一般的なスキームに対して目的の結果を得ることが出来、目標より遥かに汎用性の高い成果を上げることが出来た。とりわけ今回の結果の今後の応用を考える上で極めて意義深いことであったと考えられる。この結果により、当初の目的であった分岐制限つき基本群のmod p表現の同型類についての有限性の結果を得ることが出来た。
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