2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物のヒ素輸送と蓄積に関与する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
07J04258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 岳洋 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(SPD)
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Keywords | ヒ素 / 輸送体 / アクアポリン |
Research Abstract |
シロイヌナズナのEMS処理種子を用いたスクリーニングにより、(1)As(III)を細胞内に取り込む輸送体を同定すること、(2)亜ヒ酸排出輸送体を同定することを目的とし、実験を行った。 (1)As(III)取り込み輸送体の同定 前年度の解析により,NIP1;1の破壊株はAs(III)耐性になる事、NIP1;1はAs(III)を輸送することを明らかにした。今年度はNIP1;1の解析に焦点をあて、以下の実験を行った。まず、リアルタイムPCRとプロモーターGUS解析により、NIP1;1の発現部位を解析した。NIP1;1の根における発現量は地上部でのそれに比べ、約20倍多く発現しており、プロモーターGUSの結果より、中心柱での強い発現が観察された。GFPを用いた細胞内局在解析により、NIP1;1は細胞膜に局在していることを明らかにした。また、その局在は根の土壌に接する側に極性を持って局在していた。以上の事から,NIP1;1は根における土壌からのAs(III)の吸収に関与する主要な分子である事を明らかにした。また、NIP1;1の新しい基質としてSb(III)を同定した。NIP1;1破壊株はSb(III)耐性を示し、Sbの含量が野生型株の半分に低下していた。酵母を用いた異種発現系により、NIP1;1がSb(III)輸送活性を持つ事を確認した。 (2)As(III)排出輸送体の同定 As(III)排出輸送体の機能欠損株はAs(III)感受性になることが予想される。そこで、EMS処理種子を用いてAs(III)感受性株のスクリーニングを行ったところ、As(III)感受性の強い1株を得る事ができた。Lerと掛け合わせたF2個体を用いて、遺伝子マッピングを行ったところ、第5染色体の17.5-18.0Mbの間に原因遺伝子がある事が明らかとなった。現在マッピングを行うと同時に、候補遺伝子について配列の解析等を行っている。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] NIP1 ; 1, an Aquaporin Homolog, Determines the Arsenite Sensitivity of Arabidopsis thaliana2009
Author(s)
Kamiya, T., Tanaka, M., Mitani, N., Ma JF., Maeshima, M., Fujiwara, T.
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Journal Title
J. Biol. Chem. 284
Pages: 2114-2120
Peer Reviewed
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