2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本統治時期から現在までの台湾における日式住宅の変容過程に関する調査研究
Project/Area Number |
07J04269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
郭 ヤウェン Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 日本統治時期 / 日式住宅 / 台湾 / 台北市青田街 / 居住文化 |
Research Abstract |
本研究では、日本統治時期に台湾に建設された「日式住宅」のうち、先行研究に取り上げられていない「持家」の特性と変容過程を把握することを目的とする。 19年度は台湾漢人が台北市青田街の日式住宅に入居した後から、現在までの時代変化に伴う住み手の使用状況と増改築に関する調査を行った。調査の方法としては、(1)国内外の文献と調査対象地の地形図、航空写真、地籍図を収集した。(2)現地残存している25軒のうち、調査に応じてくれた12軒の日式住宅について詳細に実測調査を行った。(3)現居住者の住まいの様子、家族の居住歴、住宅の改修・増改築歴とその理由等に関することをインタビュー調査も行った。この調査では、青田街の現居住者は日式住宅を出来るだけ保存しながら、使用したいという意識があり、それらの意識によって、青田街にのみ見られる変更内容があったことを明らかにした。さらに、インタビュー調査の結果、生活利便性の追求や近代化、建物老朽化、防犯、防災のためといった理由だけではなく、日式住宅に影響を受けたことと、台湾漢人である住み手の習慣に合わせて増改築した部分があることが分かった。以上のことから、青田街の日式住宅には改築がなされた部分だけでなく、当初の形が保持された部分も多く存在し、それらは居住者が日式住宅に価値を感じて様式の変更をせず、補修に留めたり、日本人と同様の使い方を選択したためであることが分かった。 20年度は、日本統治時期に青田街に居住していた日本人の居住者を対象として、当時の建物の状況や生活状況などを解明する研究を進めて行く予定である。
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Research Products
(3 results)