2007 Fiscal Year Annual Research Report
高耐圧LSI回路とMEMS技術の高度集積化に関する研究
Project/Area Number |
07J04300
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 一浩 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 集積化MEMS / バルクマイクロマシニング / マイクロマシン / 光回折格子 / ディスプレイ / 電子デバイス |
Research Abstract |
本研究では、チップ表面に汎用高電圧LSIを作製し、チップの空白地にASIC(Application Specific Integrated Circuit)的にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を作製する技術の研究開発を行っている。これによって、同一基板上にアクチュエータ、センサ、プロセッサを集積化し、その総合体として知能化マイクロマシンを作り上げることが可能である。提案する集積化方法は、多品種少量型のMEMSデバイスに対応可能で、従来の方式では得られない高い機械特性を持つアクチュエータが作製できる。回路とのプロセス整合性の確認として、プラズマエッチング中におけるプラズマダメージの影響がないことを示し、構造体を可動構造とするための犠牲層リリース中の保護方法を新たに提案した。 本研究で提案しているCMOS-MEMSでは、SOIを使用している。SOIを用いたバルクマイクロマシニングでは、レイヤーが少なく設計上ジオメトリカルな制約を受けやすい。したがって、複雑な3次元構造を得るのは困難であった。そこで、新たにMEMSの設計手法としてレイヤー分離設計法を提案した。XYステージの構成要素を別のレイヤーに作製することで、高いフィルファクタの実現と同時に、光学やデータストレージ分野に応用可能な集積化XYステージを得る。これにより、本研究のSOI CMOS-MEMSの汎用性・拡張性を示した。 CMOS-MEMSの2つ目の実施例として、光回折格子を応用したMEMSデバイスをICチップに集積化し、高速デジタル制御が可能なディスプレイ応用デバイスを提案した、集積化したMEMS回折格子は、横方向駆動によりピクセルごとに回折角度変調を行う新規な手法である。一次元にアレイ化したMEMSによって縦1列の画素を制御し、走査ミラーを用いて一次元画素を走査することで、二次元画像を実現する、作製したMEMS回折格子に電圧を印加し、回折角度が変調されることを確認した。サブマイクロ秒の応答速度を持つ高電圧デジタルレベルシフタとMEMS回折格子を集積化し、高精細・高コントラストのディスプレイ画像の実現可能性を示した。
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Research Products
(7 results)