2007 Fiscal Year Annual Research Report
光駆動MEMSアクチュエータの医療用内視鏡への応用
Project/Area Number |
07J04308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 宗樹 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MEMS / 光スキャナ / 光駆動 / 光コヒーレンス トモグラフィー(OCT) / 内視鏡 |
Research Abstract |
本研究では、従来のCCDを用いた内視鏡ではなく、光学技術で体内を測定する内視鏡の実現のために必要な、小型な光スキャナの作製およびその内視鏡への応用を行っている。内視鏡で使用するため、非常に小型な(チップサイズ1.5μm×2.0μm)MEMS光スキャナを作製した。共振周波数の電圧を印加すると回転動作をし、ミラーで光を反射・走査することが可能である。当初、共振周波数300Hz、10Vの電圧で9度、光を走査できたが、より大きな角度を走査したい。そこで、MEMSスキャナ自体の改良、および電圧の印加方法を改良することで、10Vでもより大きな15度を走査可能となった。 このMEMS光スキャナと光電変換素子を用いて、光のエネルギーでMEMSスキャナを駆動させる実験を行った。エネルギー供給用の光は光電変換素子で電圧に変換され、MEMSスキャナを駆動する。波長1.55μm、8mWの赤外光により、光電変換素子は開放電圧12Vを発生するが、この場合、電流はほとんど取り出すことができない、作製したMEMSスキャナは、原理的に電流をほとんど必要としないが、実際にこの出力で十分に駆動することを確認した。 MEMSスキャナと光電変換素子を走査外部から発生させた光のエネルギーで駆動し、光でサンプルを観察するOCT測定システムを実現した。OCT測定系の光走査機構を、今回作製したMEMS光スキャナに置き換え、エネルギーを光で供給し、光電変換素子の発生電圧で動作するシステムに改良した。この装置を用いて、指の指紋を観察し、表面から2〜3mm程度内部の断面画像(OCT画像)を得られた。これにより、世界に先駆けて、光で駆動し光で測定する内視鏡システムの原理検証ができた。
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Research Products
(5 results)