2008 Fiscal Year Annual Research Report
光駆動MEMSアクチュエータの医療用内視鏡への応用
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07J04308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 宗樹 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MEMS / 光スキャナ / 光コヒーレンストモグラフィー(OCT) / シリコンハイブリッド構造 / 斜めDeep-RIE |
Research Abstract |
昨年度までに,共振状態で動作するMEMS光スキャナを作製し,その光スキャナを使用したOCTシステムを開発した.この装置を用いて指の指紋を観察し,表面から2〜3mm程度内部の断面画像を得ることに成功している. しかしながら,得られた断層画像の横方向の解像度は30ピクセル程度と粗く,本年度はより高解像度の画像を得るために,MEMS光スキャナの特性を改善する方法を研究した.画像の解像度はMEMS光スキャナの駆動周波数に依存し,駆動周波数の低い光スキャナを作ると解像度が改善される.初めに作製した光スキャナは共振状態を利用しており,共振周波数が250Hzと高い.そこで,共振周波数を低くする方法と,共振状態を使用せず静的駆動(DC駆動)が可能な方法の2つの方法について研究した. 共振周波数を低くする方法として,シリコンウェハに,シリコンよりもヤング率が低い有機材料であるパリレンを一部に用いて構造体を作製する方法(ハイブリッド材料構造)を開発した.シリコン材料だけでMEMS構造を作製することが主流である中,機械的特性を改善するためには,一部に異なる材料を使用する方法が有効であることを示した. 静的駆動が可能な構造として,平行平板型スキャナを採用し,その改良を行った.通常,平行平板型スキャナは高電圧を必要とし,我々のデザインでは180Vの電圧が必要であることが計算された.より低電圧で動作するために平行でなく斜めの構造にすると電圧が2/3に抑えられることが計算され,斜め構造の作製を研究した.シリコンのプラズマエッチング(Deep-RIE)を用いて斜めに加工する方法(斜めDeep-RIE)は報告例が極めて少なく困難な研究であったが開発に成功し,斜めの構造をもった光スキャナの作製にも成功した.斜めDeep-RIEはこれまでにない加工方法であるため,光スキャナ以外の分野でも応用が期待できる技術である.
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Research Products
(5 results)