2007 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分配に必須なセパレースーセキュリン複合体のCdc48による制御機構の解明
Project/Area Number |
07J04315
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
猪飼 信康 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 染色体分配 / セパレース / セキュリン / Cdc48 |
Research Abstract |
染色体が持っ遺伝情報を娘細胞に正確に継承することは、生命にとって極めて重要である。遺伝情報を娘細胞に正確に伝達する分子機構のなかでも、本研究では特に染色体分配がいかにして制御されているかに注目して、真核生物である分裂酵母をモデル生物とした研究を行った。染色体分配に必須な因子であるセパレース-セキュリン複合体の中のCut1/セパレースと遺伝的相互作用する変異株をスクリーニングし、cdc48-353変異株を得た。また、別の方法でcdc48-427変異株を得た。Cdc48/VCP/p97はAAA型ATPaseのひとつであり、ヒトから酵母、古細菌にまで高度に保存されたATPaseである。cdc48-427変異株およびcdc48遺伝子破壊株は核分裂異常や細胞形態異常などの多面的な表現型を呈したのに対して、cdc48-353変異株はM期での姉妹染色分体分配を正常に行うことができず、archery-bow表現型およびcut表現型のみを呈して致死となった。また、cdc48-353変異株のG1期細胞あるいはG2期細胞を制限温度でリリースすると、どちらも、最初のM期において致死となる。さらに、cdc48-353変異株ではM期にCut1タンパク質が減少し、その高温感受性はpCUT1によって強く相補され、またcdc48-353変異株とcut1変異株が呈すarchery-bow、cut表現型は互いに酷似している。また、cdc48-353変異を遺伝的背景に持つ細胞では、ユビキチン化Cut2タンパク質が特異的に減少していることを示した。さらに、質量分析装置を用いて、Cdc48タンパク質と結合する新規タンパク質としてUbxタンパク質を見いだし、ubx遺伝子がCut1タンパク質の量を増加させることを示した。
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Research Products
(1 results)