2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 渉 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 性決定 / 性染無体 / 進化 / フグ / メダカ / トゲウオ |
Research Abstract |
【要約】トラフグの性決定遺伝子座を高解像度連鎖地図で解析するため、まず、性染色体の物理地図を作製した。次に、この物理地図から選び出した目的領域周辺のマーカーを用い、大規模な解析用家系を用いた連鎖解析を行い、性決定遺伝子座の同定を目指した。 【研究状況】性決定遺伝子座を高解像度連鎖地図で解析するため、性染色体(連鎖群Y)の物理地図の作製を行った。他のモデル魚類の染色体情報を参照しながら、トラフグ・ゲノム概要よりマーカーを選び出し、性染色体全域を網羅する物理地図を作製した。その結果、染色体全領域におおよそ該当する約11Mbの配列を連鎖地図に貼り付けた。次に、トラフグ性決定遺伝子の候補を得るため、トラフグゲノムデータベースより、既報の性分化関連遺伝子と相同関係にある39個のトラフグ遺伝子を得た。これらの遺伝子においてトラフグ染色体上の位置を同定したところ、全ての遺伝子は連鎖群Yには存在しなかった。また,連鎖群Yの遺伝子と相同関係にあるメダカ遺伝子を同定し、染色体上の位置を探索したところ、全ての遺伝子は常染色体上に位置し、メダカ性染色体上には存在しなかった。また同様の解析をトゲウオについても行ったが、全ての遺伝子は常染色体上に位置し、トゲウオ性染色体上には存在しなかった。これらのことから、メダカ・トゲウオ・トラフグのそれぞれの性染色体は同祖染色体から由来したのではなく、それぞれの魚種系統において異なる染色体が独立して性染色体に進化したものと推定された。従って、トラフグ性決定遺伝子はこれまでの知見とは異なった新規遺伝子の可能性が高いと考えられる。 【今後の展開】連鎖群Yにおける大規模連鎖解析により候補遺伝子を絞り込むと同時に、候補遺伝子の発現解析および機能解析を行う
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Research Products
(7 results)