2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04370
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
登坂 亮太 Hokkaido University, 大学院・水産科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニホンウナギ / 親魚養成 / 卵成長 / 濾胞刺激ホルモン / 黄体形成ホルモン / 11-ケトテストステロン |
Research Abstract |
これまでの研究により、淡水で養成した雌化ウナギの卵巣が秋季から冬季にかけて急激に発達し、それに伴い生殖関連ホルモンの発現が変動することや、卵巣の発達度が飼育水の塩分の影響を受けることが解かっている。前年度に引き続き雌化養成ウナギの卵巣と生殖関連ホルモンの解析を行った結果、前卵黄形成期から卵黄形成初期にかけては脳下垂体の濾胞刺激ホルモン(FSH)は高い発現を維持した一方、成長ホルモン(GH)発現の減少と黄体形成ホルモン(LH)発現および血中11-ケトテストステロン(11KT)量の増加が起こることが解かった。また、養成2年目の2月にFSHβサブユニット(FSHβ)、LHβサブユニット(LHβ)mRNA量の減少とともに卵母細胞の退行が起こったことから、FSH、LH発現の減少が卵巣の退行の一因であることが示唆された。冬季から春季にかけての卵母細胞の退行を防ぐ技術を開発するため、養成2年目の雌化養成ウナギを11月から翌年の3月にかけて海水で蓄養した結果、淡水で蓄養する場合に比べて脳下垂体のLHβmRNA量と血中11KT量が高値を示し、卵母細胞の退行をある程度防ぐことが可能であることが解かった。また、前述の卵巣と生殖関連ホルモンの周年性を考慮し、ウナギを長日条件で飼育し続けることにより秋季から冬季にかけての卵成長とその後の退行を抑制することが可能であるかどうかを検討した結果、雌化ウナギを養成2年目の9月から翌年の1月にかけて長日条件で飼育することで、一部の個体で卵黄形成の抑制が認められた。本研究の成果はニホンウナギの最適な親魚養成技術の開発に貢献し、人為催熟法の改善に役立つことが期待される。
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Research Products
(2 results)