2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 真介 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超冷中性子 |
Research Abstract |
本研究は超冷中性子が重力場中で量子化分布に束縛される様子を明瞭に観測することを目標にしている。目標達成のためには超冷中性子を束縛状態に落ち着かせるための輸送系、分布を拡大するための光学系、中性子を検出するための測定系が必要である。平成19年度は測定系の超冷中性子用ピクセル検出器の開発に成功し、その性能評価を行った。 超冷中性子用ピクセル検出器の開発にはCCDセンサを用いた。CCDセンサは位置分解能がよい上に事象の起こった時間情報も記録することが出来る検出器である。これは、従来の中性子検出器にはない特徴である。しかし、CCDセンサ単体では中性粒子である中性子を検出することが出来ないため、CCDセンサ表面に中性子のコンバータを形成する必要がある。コンバータの候補としては6Li、10Bがあるが、その両方について位置分解能・検出効率などの性能評価を行った。 国内には安定して供給される超冷中性子源がないため、検出器の評価には日本原子力機構MINE2ビームラインの冷中性子を用いた。中性子とコンバータの反応断面積は中性子速度に反比例するので、冷中性子の検出効率によって超冷中性子での検出効率を求めることが出来る。また、コンバータと冷中性子・超冷中性子の反応によって生じる二次粒子は同じであるため、冷中性子を用いても超冷中性子の揚合と同様の検出器の位置分解能を評価することが出来る。中性子吸収体で作成したパターン検出器の直前に置き、中性子を照射したときの"影"を解析する事で検出器の位置分解能の評価を行った。 試験の結果、位置分解能・検出効率ともに10Bコンバータの性能が優れていることがわかった。
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Research Products
(3 results)