2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 早耶 The University of Tokyo, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 住宅 / 間取り情報 / 情報エントロピー / 中古マンション / 心理実験 / トレードオフ / 消費者 / 定量的分析 |
Research Abstract |
平成19年度は、博士研究と論文の執筆に念した。近年住宅の間取りに関する情報はデジタル化され雑誌やWebなどの媒体を通して多く出回っている。しかし、一般の消費者にとっては多くめ情報から自分にとって良いものを探し出すことは困難である。そこで本研究では、中古マンションの取引データを用いてどのような間取り情報が消費者にとって必要であるかを明らかにした。第一の分析では情報エントロピーを用いて、住宅の間取り情報の効率性の定量化を行い、どのような情報がより早く多くの情報を絞り込めるか、ということを明らかにした。第二の分析では、一般の方々に心理実験を行ってもらい、その結果を元に分析を行った。心理実験には95名の方々の協力が得られた。実験の概要としては、指標の組み合わせから決められた間取り図カードを用いて、被験者にグルーピングと順位付けを行ってもらった。結果として興味深かったのは、2部屋と3部屋のマンションで同じ面積であれば、3部屋を選ぶ被験者が多かったこと、LDKに個室が接続していることを多くの被験者が重要視していること、また、個室同士が離れていることを重視する被験者が多かったことである。また、多くの被験者が得られたことにより、被験者のグルーピングが可能になり、特徴的なものが複数得られた。第3の分析では第2の分析で得られた重要な指標同士の関係性を分析した。通常面積的な制約がある場合、例えばリビングの広さをとるか、個室の広さをとるかといったトレードオフ関係がみられる。本分析では面積帯ごとにこれらの関係性を明らかにし、ある面積帯の場合、消費者がどのような間取り情報を選択すべきか、ということを明らかにした。これらの三つ分析結果を踏まえ最終的には分析ごとに重要だった指標の抽出とその整理を行い、またそれらの有用性の検証を情報エントロピーと実験の順位付けの結果から行い有用であるという結果が得られた。
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