2007 Fiscal Year Annual Research Report
鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)の組織形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J04433
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長竹 貴広 The University of Tokyo, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 二次リンパ組織形歳 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
これまでの研究によりバイエル板(PP)形成に必要な分子(例、CXCR5,IL-7R,LTα1p2)は実際にPP誘導細胞に発現が確認されるが、NALT原基に集積するCD3 CD4+CD45+糸棚包すなわちNALT誘導細胞にはこれら分子が発現せず、NALT形成がCXCR5,IL-7R,LTα1β2に非依存性であることを明らかとしている。そこで私は、NALT誘導細胞に発現し、NALT形成に重要な役割を持つ分子を同定する目的で、NALT誘導細胞とPP誘導細胞との間でサブトラクションアッセイを行い、NALT誘導細胞に選択的に発現する遺伝子としてinternferon regulatory factor 1(IRF1)を同定した。本年度はIRF1 KOマウスを用いた解析を精力的に行った。8週齢の成体IRF1 KOマウスを組織学的に解析したところ、NALT形成が著しく障害されていることが確認された。NALT形成期である生後10日齢の鼻腔組織を精査したところ、IRF1 KOマウスのNALT誘導細胞は鼻腔に存在するものの、NALT原基への集積が障害されていることが明らかとなった。すなわち、IRF1はNALT誘導細胞の分化には必須でないが、NALT原基への遊走・集積機構に重要な役割を果たすと考えられる。興味深いことにIRF1 KO マウスにおいて末梢リンパ節(pLNs)やPPの形成が正常に保たれることが確認された。従って、IRF1はNALT特異的な組織形成因子であると考えられる。本年度の研究で特肇すべきもう1つの成果は、マウスにおいて涙道関連リンパ組織(Tear duct-associated lymphoid tissue;TALT)を同定し、その組織形成機構がPPやpLNs,NALTとも異なる全くユニークなメカニズムで進行することを明らかとしたことであり、各種学会発表において非常に高い評価を得ている。
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Research Products
(7 results)