2008 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論におけるモジュライ場の現象論的、宇宙論的側面の研究
Project/Area Number |
07J04494
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
檜垣 徹太郎 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 弦理論的現象論 / 弦理論的宇宙論 / モジュライの安定化 / 超対称性の破れ |
Research Abstract |
超弦理論は標準模型を超えて我々の世界を統一的に記述できる理論であるが問題がある。それは摂動論的に真空が無数に縮退し、現実的な弦模型は得られていない事である。これは非摂動諭的な効果によって真空の縮退が解けると思われる。これら無数の真空の連続的自由度はモジュライの期待値の自由度に対応し、その期待値自身は観測可能な結合定数と関係するので、モジュライのダイナミクスは重要である。そこで私はモジュライ場のポテンシャルが隠れたセクターの非摂動効果(ゲージーノ凝縮)によって決まることを考えた。この場合、注目すべきは隠れたセクターのゲージ結合定数が複数のモジュライ場の線形結合によって主に決まっていることである。特にこの線形結合の係数が負の場合の応用例は誰もまだ考えた事が無かった。分かった事はモジュライ場が無限遠の真空に逃げる事(オーバーシューティング)を防ぎ得ること、特にインフレーション中のモジュライ場の安定性に重要な寄与を与える事が分かった。また、この事は特にモジュライ場がインフラトンとして振舞う場合にも、重要な寄与を与えることを意味し今後インフレニション模型の多様性が広がることを意味する。また、モジュライの安定化や現実的模型において重要なKachru-Kallosh-Linde-Trivedi(KKLT)の提唱した模型について違う見方をした。つまりKKLTで重要な役割を果たすデフォームドコニフォルド上でのプローブDブレインの動きや、超対称性模型の多様性を探るため、超対称性の破れが起こったときの超対称ゲージ理論のSeiberg duality cascadeを調べた。分かった事は一風変わったソフトマスの抑制(コンフォーマルセクエスクリング)がおこったり、ヒッグス機構によるゲージ対称性の破れが起こることである。
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Research Products
(2 results)