2009 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論におけるモジュライ場の現象論的、宇宙論的側面の研究
Project/Area Number |
07J04494
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
檜垣 徹太郎 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 弦理論的象論 / 弦理論的宇宙論 / モジュライの安定化 / 超対称性の破れ |
Research Abstract |
超弦理論は標準模型を超えて我々の世界を統一的に記述できる理論であるが問題がある。それは摂動論的に真空が無数に縮退し、現実的な弦模型は得られていない事である。これは非摂動論的な効果によって真空の縮退が解けると思われる。これら無数の真空の連続的自由度はモジュライの期待値の自由度に対応し、その期待値自身は観測可能な結合定数と関係するので、モジュライのダイナミクスは重要である。 私は今、F理論におけるアクシオンについて研究している。その理由は、F理論は現象論的には摂動論的には出てこない湯川結合定数を考えられるなど、面白い側面を持っている一方でF理論のアクシオンについてはすでにハーバード等のグループによって考えられてうまくいっているように見える。しかし、それは重力の効果を考えるとアクシオンがQCDの効果と別に、重い質量をもってしまう。せっかくの面白いF理論の模型なのでこれを訂正するために訂正した模型を場の理論的に考えている。具体的には、超対称性を破る多重場とアクシオン多重場の模型を考え、そのポテンシャル構造を見て、そのモジュライを固定した後に質量スペクトラムを決定し、宇宙論的、現象論的制限を考えることである。一方で、タイプIIBオリエンティフォルド弦理論における湯川結合定数についても考察している。特に余剰次元に磁場の入った余剰次元のある場の理論模型を見ていて、これはT双対性で交差したDブレーン模型に対応している。これは場の理論を使う分、さまざまな点で計算や定式化がしやすい利点があり、低エネルギーで弦理論的な計算と一致していることが様々な観点で調べられている。今回は特に非繰りこみ項まで含めた計算をしており、この時の結合定数はコンプレックス構造モジュライに依存している。多くの弦模型型は繰りこみ可能な湯川項しか見ておらず、これはフローガット=ニールセン機構を含めた広い可能性を持つ湯川項を探る上で重要である。
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Research Products
(3 results)