2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロクエーサーの多波長観測による宇宙ジェット生成機構の解明
Project/Area Number |
07J04524
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 香織 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高密度天体 / ジェット / ブラックホール / 多波長観測 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、2006年4月に行った「すざく」を中心としたSS433多波長観測で得られたデータの解析を行った。「すざく」衛星で得られたX線スペクトルの時間変化を詳細に調べたところ、観測時間中にジェットのドップラーシフトが急激に変化していたことがわかった。このドップラーシフトの短時間変動は「ジッター」と呼ばれる現象で、可視光分光では度々とらえられていたが、X線スペクトルで観測された例はこれ以前には発表されていない。また、X線スペクトルでとらえられた変動開始時刻と可視光分光でとらえられた変動開始時刻の差から、可視光ジェットの長さを詳細に求めることに成功した。これはX線観測と可視光分光観測が同時に行われたことによってはじめて得られた成果であり、本研究独自のものである。この成果は現在論文に執筆中である。2007年10月5-8日にハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡でSS433の可視光分光観測を行った。本観測の目的は、SS433の伴星の吸収線の軌道運動によるドップラーシフトを検出し主星の質量を測定することで、この天体が中性子星かブラックホールかを決めることである。2007年11月に、本データの解析方法を学びデータについて議論するために、ロシアのSpecial Astrophysical ObservatoryのS.Fabrika教授の元へ出張した。現在も引き続きこのデータの解析を行っている。
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Research Products
(3 results)