2008 Fiscal Year Annual Research Report
日震学の手法を用いた太陽の活動現象の起源に関する研究
Project/Area Number |
07J04556
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
長島 薫 The Graduate University for Advanced Studies, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽 / 日震学 / 太陽活動 |
Research Abstract |
本研究では、太陽の振動の観測を使って内部構造を探る「日震学」の手法を用いて、太陽の活動現象のメカニズムの解明を目指している。前年度に引き続き、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光磁場望遠鏡SOTの最新の観測データを活用して、解析手法の構築を進めてきた。本年度は、「ひので」のデータの中でも、表面輝度分布のデータに限らず、ドップラー効果を用いて得られた太陽表面の速度場データも用いた解析を行い、太陽の活動領域における流れの検出を試みた。この結果、これまで日震学の手法ではあまり考慮されていなかった上層大気「彩層」のダイナミクスもきちんと扱うことで、太陽内部だけでなく彩層での流れ場も検出できる、日震学の新たな側面を明らかにすることができた。 本成果は、アメリカのHigh Altitude Observatoryにて開かれた国際研究会"Hinode Second Science Meeting"や日本天文学会春季年会にて、口頭講演を行って各国からの参加者と活発な議論を行ったほか、アメリカのStanford大学やコロラド大学ボールダー校に短期滞在し、現地の研究者と最新の研究の情報交換や議論を行って研究内容を深めることができた。これらの議論に基づいてまとめた研究成果は、査読論文としてアメリカ天文学会の学術雑誌The Astrophysical Journal Lettersに掲載さねた。 また、本年度も昨年同様「ひので」の衛星運用にも自ら関わり、本研究に有用なデータを取得した。その新しいデータ解析も含め、これまでに構築してきた解析手法を活かし、最終年度につなげていく予定である。
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Research Products
(4 results)