2008 Fiscal Year Annual Research Report
魚類ミオシン重鎖遺伝子群の発現変動と筋分化の制御機構に関する研究
Project/Area Number |
07J04576
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 陽介 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 筋発生・筋分化 / ミオシン重鎖 / 遺伝子発現調節 / トランスジェニック / メダカ |
Research Abstract |
筋主要タンパク質ミオシンのサブユニットであるミオシン重鎖(MYH)はミオシンの生理機能の主体であると同時に多くのアイソフォームが存在し、魚類の筋形成過程においてもMYHをコードする複数の遺伝子(MYH)が組織や発生段階によって異なる発現様式を示す。このことから性質の異なる筋肉の形成にMYHの発現が密接に関与することが示唆される。本研究ではメダカの筋形成過程におけるMYHの転写調節機構の解析を通じて魚類筋肉の形成機構を明らかにすることを目的とした。 昨年度、メダカ胚体型MYH(MYHembl)の遺伝子上流配列と緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を結合した人工遺伝子を導入したトランスジェニック魚の作出により、遺伝子上流約1.9kbがMYHemblの発現を制御することを明らかにした。今年度はこの領域からさらに発現調節に関わる領域の絞り込みを行った。上記の人工遺伝子を含むプラスミドからインバースPCR法により、特定の領域を除いたコンストラクトおよび特定の塩基配列に変異を導入したコンストラクトを作成した。これらのコンストラクトの転写活性をGFPを発現する胚体の出現頻度から調べた結果、翻訳開始点より上流1.1〜1.0kb間に存在する61bpの塩基配列を除いた場合に転写活性が有意に低下しか。また、この配列内に存在する既報の転写因子結合配列は転写活性に関与しないことから、新規の転写因子結合配列がこの領域に存在することが予想された。以上の成果は未だ報告例の少ないMYHの転写を直接制御する転写因子の同定につながるものである。
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Research Products
(2 results)