2008 Fiscal Year Annual Research Report
多様体上の幾何構造及び幾何構造を持つ部分多様体のモジュライ空間について
Project/Area Number |
07J04609
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野澤 啓 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 佐々木多様体 / 接触多様体 / リーマン葉層構造 |
Research Abstract |
Riemann葉層構造のtautnessと呼ばれる幾何的性質について研究を行った.tautnessは葉層の様々な力学的及びコホモロジカルな性質と関わることが知られているが、特にAlvarez類と呼ばれる次数1のcohomology類[κ_b]の自明性がtautnessを特徴づけることが知られている.冪零な構造Lie環を持つRieiann葉層のAlvarez類の全ての周期が代数的整数のlogarismになっていることを示し,その系としてそれらのRiemann葉層の中でtautnessが変形不変であることを証明した.これは葉層構造の2次特性類の剛性の新しい例となっており、葉層構造の変形理論において重要である. 階数2の5次元K接触多様体について様々な構造定理を得た.階数2の5次元K接触多様体に対し接触運動量写像に対するMorse理論を適用し、それらが自然に持つT^2作用のデータによって定義されるグラフによって分類されること、全ての階数2の5次元K接触多様体は閉曲面上のレンズ空間束から接触爆発と接触爆縮と呼ぶ手術を繰り返して得られること、適合する佐々木計量の存在の証明、トーリック多様体になるための十分条件を得た.5次元K接触多様体の階数は1,2,3のいずれかであるが、階数3の場合にはトーリック幾何により、K接触多様体とユークリッド空間内の錘の対応が知られ、また適合する佐々木計量の存在が示されていた.上記の構造定理は階数2の場合にも5次元K接触多様体が多くの良い性質を持つことを示し、さらに手術による位相的な性質を記述するものである.これらの結果により、5次元K接触多様体の位相的及び幾何的な性質の基本的部分が明らかとなった.これらの結果は数理物理において近年研究されている5次元佐々木幾何に対する応用を持ち、重要である.
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Research Products
(8 results)