2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04620
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 吏悟 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Si電極 / Si両面電極 / 高機能集積化脳インプラントデバイス / 細胞外記録 / 神経細胞活動電位記録 |
Research Abstract |
これまで様々な脳測定手法が開発、改良されることで脳科学のめざましい進歩がもたらされてきた。数ある脳測定手法の中でも神経細胞の活動を金属製電極により直接測定する細胞外記録は古くから行われ、脳機能を理解する上で非常に重要な役割を果たして来た。他研究機関おいては、Siを用いた電極が開発され、実際に神経細胞活動の記録に用いられている。Si電極は、微細加工、大量生産、電極上への電気回路形成などが可能であり、金属製電極にはない利点を有している。しかし、現状のSi電極を用いた場合でも、膨大な数の神経細胞が高密度に存在している脳において同時に観察できる神経細胞の数は限られている。また、電極自体の神経細胞への損傷の問題もあり、今後より高精度な記録、更には情報の入力等を行うためには電極自体の形状を改善する必要があると考えられる。そこで我々は高密度記録を実現するSi両面電極を提案し、その開発を行ってきた。このSi両面電極は従来のSi電極と異なり、電極の上下両面に記録点を持つ。電極下面の記録点は同一面上にあるパッドへ繋り、そのパッドへは電極上面から貫通孔を通してワイヤーボンディングを行うことで外部装置へ繋げる。記録点を電極の上下両面に配置することで電極上の記録点の密度を高めることができ、神経細胞活動電位の高密度記録が可能となる。 今年度、実際にこのSi両面電極の試作を行い、その試作に成功した。また、電極上下両面の記録点のインピーダンス測定を生理食塩水中で行い神経細胞の活動電位記録に適した電極であることを示した。さらにインピーダンス測定後、in vitro環境下での電極の評価としてモルモットの海馬スライスを用いた神経細胞の活動電位記録実験を行い、電極上下両面の記録点からの活動電位記録に成功した。
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Research Products
(3 results)