2007 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀イギリスにおける都市空間の再編と動物観の変容
Project/Area Number |
07J04625
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊東 剛史 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 近代 / イギリス / 国際情報交換 / 都市 / 空間 / 動物観 / データベース |
Research Abstract |
1 採用初年度につき、2007年9月、12月、および2008年2月にイギリス国立図書館などにおいて新史料の収集・分析を積極的に行った。その成果と博士論文をもとに19世紀ロンドン動物園に関するモノグラフィー(London Zoo,1828-1859:ctiltural politics,public seience and animal history)の出版計画をたてた。 2 19世紀イギリス議会資料を網羅的に調査し、科学的な知識の普及に貢献した英国博物館の発展過程を分析した。1753年に設立された英国博物館を運営したのは、それを目的に設置された理事会である。この理事会に公共文化財を信託するという制度がどのように確立されたのかに着目し、1830〜70年代のイギリスの文化政策を分析した。具体的には、(1)積極的な文化政策を展開しなかったと評価されるイギリス政府が、実際には英国博物館の運営に関して重要な介入政策をとったことを明らかにした。(2)大陸諸国における国家主導の文化振興策を理想とする批判を、その歴史的な文脈に置き相対化したうえでイギリスの特殊性を理解することを目指した。(3)ヴィクトリア期の「自由主義国家」と「市民社会」の形成という観点から、政府の文芸科学支援策が果たした役割を考察した。 3 19世紀ロンドンの「幸福な家族」と呼ばれる動物の見世物に焦点をあて、日記、書簡から雑誌記事まで多様な史料を用い、当時の人々の動物観を多角的に分析した。
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Research Products
(1 results)