2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞による血管新生を応用した心筋組織再生医療のための基盤研究
Project/Area Number |
07J04649
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
毛利 友美 Osaka University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 組織幹細胞 / サイトカイン / 血管内皮細胞 / 血管新生 / 心血管 |
Research Abstract |
心筋組織はさまざまなサイトカインにより恒常性が維持されている。これまでに、IL-6関連サイトカインがSTAT3の活性化を介して心筋組織幹細胞に作用し、血管内皮細胞に分化誘導することを明らかにしている。このことは、心筋組織幹細胞が新生血管構成細胞のsourseのひとつとなり得ることを示唆する。そこで、本研究では、組織内に存在する幹細胞を標的として心筋組織内の血管新生を誘導することにより、心筋組織の修復・再生を促すという治療戦略の確立を目的としている。 平成20年度は、心筋組織幹細胞の内皮細胞への分化誘導メカニズムを解明するために、心筋組織幹細胞においてIL-6関連サイトカインにより発現誘導される分子として同定したPim-1の分化誘導への関与に関して、抑制型Pim-1発現アデノウイルスベクターを用いて解析を行った。その結果、心臓由来Sca-1陽性細胞において、IL-6関連サイトカインによる内皮細胞マーカー遺伝子の発現誘導にPim-1が必要であることを明らかにした。また、IL-6関連サイトカインによるSca-1陽性細胞の内皮細胞への分化誘導作用の病態生理学的意義を明らかにすることを目的として、虚血性心疾患モデル動物として心筋梗塞誘発マウスを作製し、IL-6関連サイトカインと虚血心筋におけるSca-1陽性細胞の細胞動態に関して検討を行った。その結果、心筋梗塞誘発により心筋組織において、IL-6ファミリーサイトカインであるLIFやIL-11の発現が上昇するとともに、内皮細胞マーカー陽性のSca-1陽性細胞数の増加が認められた。以上の成果は、IL-6関連サイトカインシグナルが、心筋細胞でのVEGF発現誘導を介した血管新生作用に加えて、心筋組織幹細胞の内皮細胞への分化誘導作用を介した血管発生作用によって、心筋組織の修復・再生過程における血管形成に寄与している可能性を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)