2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚意識の持続・更新過程に関する心理物理および脳機能イメージング法による研究
Project/Area Number |
07J04661
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山城 博幸 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視覚意識 / 脳機能イメージング / fMRI / 視覚野 / レチノトピックマッピング / 連続フラッシュ抑制 / 心理物理学 |
Research Abstract |
視覚意識の生成および更新にどの視覚野が関与するかを調べるために、連続フラッシュ抑制と呼ばれる錯視事態下の視覚野の活動をfMRIを用いて測定し以下の2点を明らかにした。(1)連続フラッシュ事態では、物理的に同一のターゲット刺激が見えたり見えなくなったりする。このように視覚意識の状態が更新されたとき、低次から高次の測定したすべての視覚野で活動の変化がみられた。この活動パターンは低中次の視覚野(V1,V2,V3,V3A,V4v,V4d)と高次視覚野(MT,V7,LOc)で異なっていた。これらは低次から高次すべての視覚野が視覚意識の状態の制御に関与すること、また低中次と高次視覚野が異なる役割を果たしていること示唆している。(2)連続フラッシュ抑制の強さは、実験中ターゲット刺激が全く見えない被験者もいれば、半分以上の時間見えている被験者もいるというように、被験者間で大きく異なっている。この各被験者の連続フラッシュ抑制の効果と脳活動の大きさの関係を調べたところ、連続フラッシュ抑制がかかりやすい被験者ほど、見えなくなったターゲット刺激に対する中高次視覚野の応答が小さいという強い相関関係が見られた。一方低次視覚野(V1,V2)ではこのような相関はみられなかった。このことは視覚意識の生成および抑制には、中高次視覚野が深く関与していることを示唆している。
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Research Products
(2 results)