2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04678
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畑中 翼 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 有機鉄錯体 / 窒素分子活性化 / 含窒素ヘテロ環カルベン / C-H結合活性化 / ヘテロ芳香環 / C-Hボリル化 |
Research Abstract |
有機鉄錯体を用いた基質活性化に関しては基礎的知見があまり報告されておらず不十分であるため、研究目標である窒素分子の活性化は方法論の確立から始める必要があり、当該年度では目標の達成に至らなかった。しかし鉄錯体の合成および反応性の探索を行った結果として、以下に述べる重要な成果を上げることができた。 窒素原子上にメチル基を有する含窒素ヘテロ環カルベン配位子を用いてCp^*Feメチル錯体を合成した後に、基質の活性化を検討したところ、ベンゼン、チオフェンおよびフランのC-H結合を切断可能であることを見いだした。さらに本反応を活かして、ベンゼン、チオフェン、フランの位置選択的なC-Hボリル化が可能であることを確認した。さらに水素補足剤としてtert-ブチルエチレンを添加することで、フランの触媒的C-Hボリル化を達成した。これまでに類似な反応はイリジウムなどの高価な貴金属を用いたものに限られており、今回の鉄を用いた一連の反応の開拓は非常に価値の高い研究であるといえる。安価で毒性が低く大量に入手可能な鉄を用いた触媒反応の開発が近年強く望まれており、錯体化学的に詳細に調べられた本結果はそれに対し重要な知見を与えると考えられる。
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Research Products
(6 results)