2007 Fiscal Year Annual Research Report
人間・機械共適応を目指した自律学習型運動意図推定システムの開発
Project/Area Number |
07J04682
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北 佳保里 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 筋電義手 / 生体信号処理 / パターン認識 / 自律学習 |
Research Abstract |
人間・機械共適応を目指した自律学習型運動意図推定システムを実現するため、自律学習型情報処理に基づく動作識別法の提案を行い、被験者実験にてその有効性を検証した。また同時に日常生活において使用可能な小型識別器を開発し、次年度の研究基盤を確立した、本年度の研究実績は投稿論文(精密工学会誌)等にまとめた。以下にその詳細を示す。 (1)自律学習型情報処理に基づく動作識別手法の提案筋電義手制御のための情報処理はパターン識別問題に帰着し、いかにヒトの動作意図を識別するかが最大の課題である。従来では、ヒトが識別器に動作を明示的に教示し、訓練データを生成する。しかしながら、ヒトが教示した異なる動作の筋電位の特徴が類似する場合があり、必ずしも識別器にとって識別しやすい教示が行われるという保証はない。そこで筆者は、自己組織化クラスタリングの手法を用いることで、ヒトが出しうる筋電位からあらかじめ分離しやすい特徴ベクトル(コードベクトル)を抽出し、それをヒトに視覚的に提示することで対応する動作を決定し、訓練データを生成する自律学習型の情報処理を提案する。それを基に識別関数を生成することにより、ヒトの残存機能を最大限利用可能な動作識別が可能であると考えられる。提案手法により動作識別を行ったところ(筋電計測位置:2か所、特徴ベクトル:振幅値)、3動作(安静・握り・開き)の識別率は90%以上であることを確認した。 (2)筋電義手制御のための小型識別器の開発従来、筋電義手システムはPC上に実装されていることが多いが、日常生活において使用することを想定すると、動作識別システムやバッテリの小型化を行い、モバイル性を向上させることが必須である。そこで、板ガムサイズの小型linuxPC(Gumstix社製:gumstix&robostix)上に識別器の実装を行い、8時間以上連続して動作識別可能であることを確認した。また、本システムは切断者2名(小児、60代女性)に貸出しており、日常生活における使用状況を検証する予定である。 次年度は、自律学習型情報処理に基づく動作識別手法において使用する特徴ベクトルの種類、コードベクトル算出法等を検討し、識別可能動作数の増加・識別精度の向上を目指すまた、その成果を投稿論文としてまとめる。
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Research Products
(5 results)