2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球・土星内部磁気圏の高エネルギー粒子加速・消失過程の解明
Project/Area Number |
07J04693
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田所 裕康 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高エネルギー粒子の加速・消失過程 / 放射線帯 / 土星内部磁気圏 / 中性粒子密度分布 / Cassini探査機 / イオン化反応 / 拡散方程式 |
Research Abstract |
地球放射帯内帯の研究を通じて得られた、高エネルギー粒子のダイナミクスとその物理過程の理解の上に、未だその分布やダイナミクスがほとんど明らかにきれていない土星の放射線帯を明らかにするため、数値シミュレーションやCassini衛星を用いたデータ解析を行った。 本年度は昨年度の粒子データ解析によって明らかになった電子ピッチ角分布に対する評価を行うため、数値シミュレーションによるアプローチを行った。土星内部磁気圏において中性粒子密度はプラズマ密度の10倍程度であると言われており、これら中性粒子と高エネルギー電子の衝突が観測されたピッチ角分布を生む主要な消失メカニズムであることが考えられる。つまり、高エネルギー電子と中性粒子の衝突による消失過程を評価するには、中性粒子のグローバル分布を知る必要がある。しかしながら、土星磁気圏内での中性粒子の観測は非常に少なく、またグローバルな中性粒子密度分布は今だ明らかになっていない。そこで、本研究では、高エネルギー電子の消失過程を明らかにするための第一歩として、中性粒子密度のグローバル分布を数値シミュレーションを行うことによって明らかにした。結果として、経度方向に非一様な中性粒子密度分布が再現きれた。これほ高エネルギー電子によるイオン化反応がより早く促進されるためである。これらのことは本研究で初めて明らかになったことである。 現在、これらの結果を学術誌に投稿準備中である。今後はこの中性粒子密度を用いることによって4次元の拡散方程式を解くことによって、高エネルギー電子の分布を再現し、観測結果と比較・検討していく予定である。 以上の成果を学術誌に発表し、国内外での学会・研究会で報告した。
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Research Products
(6 results)