2008 Fiscal Year Annual Research Report
貫通孔構造を有するかご状中空シリカ粒子を用いた細胞型バイオリアクターの開発
Project/Area Number |
07J04696
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
塩見 徹 Tokyo University of Science, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | ナノバイオテクノロジー / 材料化学 / バイオリアクター / 無機中空粒子 / 人工細胞 / リゾチーム |
Research Abstract |
本研究者はナノオーダーの貫通孔構造を有する無機中空粒子(CHS)の特異な構造を利用した微小反応場システム(細胞型バイオリアクター)の開発を目指し、より精密な形態制御が可能なCHS合成方法の検討を進めた。まずリゾチーム-シリカハイブリッド粒子をスタート物質とした水熱処理によるCHS合成プロセスにおいて、水熱処理条件やスタート物質であるハイブリッド粒子の組成によるCHSの形態制御を試みたところ、ハイブリッド粒子の組成によって異なる形態の貫通孔構造が形成されることを見出した。一方ハイブリッド粒子の外形は水熱処理前後において変化しないことから、貫通孔構造のみの形態を自在にコントロールできることが示唆された。またCHS構造の形成条件として、ハイブリッド粒子表面のシリカ層の存在が必要であることを明らかとし、その形成メカニズムを明らかにすることができた。しかしながら、ハイブリッド粒子の粒子径が最大でも1-3umであったため、細胞型バイオリアクターとして用いるにはより幅広い粒子径にコントロール可能なCHSの合成方法が望まれた。そこで、SPGグラスを用いて均一な粒子径のエマルジョンを作成し、その表面においてハイブリッドシェル構造を作成することでCHSが合成できるのではないかと考え、検討した。その結果、中空構造は得られたものの、シェル構造の強度が足りず、リゾチームの除去プロセスにおいてシェル構造が破壊されてしまう結果となった。
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Research Products
(3 results)