2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境試料からの遺伝子資源の探索に向けた未知有用遺伝子の迅速取得手法の開発
Project/Area Number |
07J04723
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺原 猛 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | メタゲノム / 遺伝子資源探索 / Inverse PCR法 / Locked nucleic acid / phi29 DNA polymerase / T-RFLP法 / 多次元尺度法 |
Research Abstract |
環境試料からの新規遺伝子取得手法としてPre-amplified Inverse-PCR法(PAI-PCR法)を考案した。本手法は相補鎖塩基に対して通常のDNAオリゴよりも特異性の高いLocked nucleic acid(LNA)オリゴとphi29 DNA polymeraseを使用し、ターゲット遺伝子が含まれる環状DNAのみを選択的に鎖置換反応で増幅し、その産物をinverse PCR法の鋳型DNA鎖として利用するのが特長である。大腸菌ゲノムDNA中のλDNAをターゲット遺伝子とし、模擬環境試料を用いてPAI-PCR法の効果を検証した。その結果、これまでのinverse PCR法の約1,000倍の感度でターゲット遺伝子を検出可能であることを確認した。この成果は環境試料からの新規遺伝子を取得するメタゲノム研究の新たな道筋として、幅広い研究・産業分野において活用できる可能性を示している。次に、本手法を用いて様々な環境試料(活性汚泥、土壌、虫垂、堆肥)から新規遺伝子の取得を試みた。その結果、既知のリパーゼ遺伝子と35-80%の相同性(アミノ酸ベース)を示す推定リパーゼ遺伝子を13個取得し、さらに機能解析を行ったところ、既知遺伝子とは異なる活性を示した。一方、環境試料から多様な新規遺伝子を効率的に取得するためには、各サンプルのターゲット遺伝子の多様性を把握することが、その一助になると考えた。そこで、15種類の耕地土壌を用い、bacterial chitinasesをターゲットにしてT-RFLP法で多様性を簡易に把握することができるのかを検討した。クローニングを介した統計解析(UniFrac analysis)とT-RFLP法を介した統計解析(多次元尺度法)を比較した結果、T-RFLP法で遺伝子の多様性を簡易に把握できることが示唆された。
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Research Products
(7 results)