2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境試料からの遺伝子資源の探索に向けた未知有用遺伝子の迅速取得手法の開発
Project/Area Number |
07J04723
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺原 猛 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メタゲノム / 遺伝子資源探索 / inverse PCR法 / Locked nucleic acid / phi29 DNA polymerase / リパーゼ遺伝子 |
Research Abstract |
環境試料からの新規遺伝子取得手法としてPre-amplified Inverse-PCR法(PAI-PCR法)を考案した。本手法は相補鎖塩基に対して通常のDNAオリゴよりも特異性の高いLocked nucleic acid(LNA)オリゴとphi29 DNA polymeraseを使用し,ターゲット遺伝子が含まれる環状DNAのみを選択的に鎖置換反応で増幅し,その産物をinverse PCRの鋳型DNA鎖として利用するのが特長である。このPAI-PCR法についてλDNAをターゲット遺伝子とした模擬環境試料を用いて検討した結果,これまでのinverse PCR法の約10,000倍の感度でターゲット遺伝子を検出することができることを確認した。この成果は環境試料からの新規遺伝子を取得するメタゲノム研究の新たな道筋として,幅広い研究・産業分野において活用できる可能性を示している。次に本手法を用いて様々な環境試料(活性汚泥、土壌、虫垂、堆肥)から新規遺伝子の取得を試みた。その結果,今年度,既知のリパーゼ遺伝子と35-80%の相同性(アミノ酸ベース)を示す推定リパーゼ遺伝子を14個取得した。また取得した遺伝子のうち,新規リパーゼ遺伝子1つについて大腸菌の発現系で可溶性画分に発現タンパクを回収することができた。このリパーゼ遺伝子と相同性が高かった既知遺伝子も同様な条件で発現させ,両タンパクの機能解析を行った。その結果,反応温度やpHを変えると既知遺伝子では基質特異性が低くなってしまったが,新規リパーゼ遺伝子では特異性にあまり変化がなかった場合があった。このことは塩基配列の違いに起因するのではないかと推察された。このように,新規リパーゼ遺伝子は既知遺伝子との相同性が低いために新規な機能を有することが期待される。
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Research Products
(1 results)