2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫逆遺伝学を利用した筋収縮抑制性脂質メディエーターの同定と解析
Project/Area Number |
07J04734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今江 理恵子 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アシルトランスフェラーゼ / リン脂質 |
Research Abstract |
1.サプレッサー遺伝子のスクリーニング acl-10と機能的に関連する遺伝子を網羅的に探索する目的で、acl-10変異体にさらに変異を導入し、表現型が回復する変異体を見出すサプレッサースクリーニングを行った。まず、スクリーニングの系を構築するため、acl-10変異体の表現型回復を簡便に判別するアッセイ系を検討した。「acl-10変異体は致死となるが、野生株では生存可能な条件」を検討したところ、低張条件下においてacl-10変異体が破裂し、全ての個体が致死となることを見出した。この原因を詳細に調べた結果、acl-10変異体では上皮細胞の分化ならびに上皮細胞が分泌するクチクラ構造に異常があることが明らかになった。 次に、acl-10変異体を変異誘発剤で処理し、低張液に浸しても生存可能なacl-10変異体のサプレッサーをスクリーニングした。約40万ゲノムをスクリーニングした結果、低張液耐性となった65ラインの変異を単離することに成功した。さらに、上皮細胞の分化を指標に二次スクリーニングを行ったところ、5つのサプレッサー変異に絞られた。これらの変異体ではacl-10変異体で観察される形態異常や運動性異常も回復していた。このうち、2つのサプレッサー変異についてマッピングを行った。現在、これらの遺伝子についてacl-10との関連を解析している。 2.acl-10の酵素活性の解析 acl-10の酵素活性および表現型の原因となる脂質を同定するため、acl-10変異体から抽出した脂質を用いて、マススペクトロメトリーを用いた網羅的な脂質解析を行った。その結果、野生型との差が顕著に見られる脂質画分を見出した。現在、脂質添加による表現型の変化を解析することにより、この脂質画分の変動と表現型との関連を調べている。
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Research Products
(1 results)