2007 Fiscal Year Annual Research Report
線虫逆遺伝学を利用した筋収縮抑制性脂質メディエーターの同定と解析
Project/Area Number |
07J04734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今江 理恵子 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アシルトランスフェラーゼ / リン脂質 |
Research Abstract |
1、acl-10変異体においては、アセチルコリン受容体の機能亢進により過度な筋収縮が引き起こされていることが考えられたため、アセチルコリン受容体の発現量に変化があるか定量PCR法により検討した。その結果、野生型と同程度の発現量であることが明らかとなり、acl-10はアセチルコリン受容体の転写後調節や蛋白質の安定性、あるいは活性調節において機能している可能性が示唆された。 一方、acl-10変異体の新たな表現型として、上皮細胞の形態異常を見出した。上皮細胞に異常がある変異体では薬剤に対する感受性が高くなる場合があり、acl-10変異体で見られたアセチルコリン受容体アゴニストに対する感受性の亢進は、上皮細胞の異常に起因する可能性も考えられる。上皮細胞の異常のメカニズムについて、今後さらに詳細な解析をしていく予定である。 2、acl-10に関連する遺伝子を網羅的に探索する目的で、acl-10変異体にさらに変異を導入し、表現型が回復する変異体を見出すサプレッサースクリーニングを行った。方法としては、点変異を導入できる変異剤EMSをacl-10変異体に処理し、F2世代で表現型が回復しているものをスクリーニングするというものである。この結果、現在までに4ラインのサプレッサー変異体を単離することに成功した。今後、近縁種との遺伝子多型を利用したsnip-SNPs法を用いて、これらの原因遺伝子の同定を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)