2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本・オーストラリア間自由貿易協定締結が経済および環境に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
07J04737
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤内 大輔 Hokkaido University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自由貿易協定 / 応用一般均衡分析 / 余剰窒素分析 / 貿易と環境 / オーストラリア |
Research Abstract |
本研究の目的は、FTA締結による貿易自由化が日本全体(国レベル)及び日本の各地域(地域レベル)の経済、環境にどのような影響が及ぶのかを定量的に明らかにすることである。平成19年度には、主としてFTA締結が日本全体の農業環境に及ぼす影響の解明を試み、次の研究成果の発表、公表を行った。 まず、これまでの研究成果の発表として次の3件の学会報告を行った。平成19年7月にはアメリカ農業経済学会にて「Does Agricultural Trade Liberalization under FTA Reduce Pollution from Agriculture?:The Case of the Japan-Korea FTA」と題した口頭報告を行った。平成19年9月には北海道農業経済学会にて「日本・オセアニア間自由貿易協定が環境負荷に及ぼす効果分析」と題した口頭報告を行った。平成20年2月にはオーストラリア農業経済学会にて「An Australia-Japan Free Trade Agreement and Nitrogen Pollution from Agriculture」と題したポスター報告を行った。 続いて、これまでの研究成果を次の3つの論文として公表した。第1に、「日本・オーストラリア間自由貿易協定締結が環境に及ぼす影響:応用一般均衡分析と余剰窒素分析からの接近」と題した学術論文を平成19年6月発行の『農林業問題研究』にて公表した。第2に、「自由貿易協定締結が環境に及ぼす影響予測:日本・ニュージーランド間自由貿易協定締結を事例とした余剰窒素分析」と題した学術論文を平成19年12月発行の『2007年度日本農業経済学会論文集』にて公表した。第3に、「自由貿易協定が日本の農業生産および農業環境に及ぼす影響に関する経済分析」と題した学術論文を北海道大学の学位論文として公表した。 上記の研究成果はいずれも、応用一般均衡分析の枠組みを用いて、農産物貿易の自由化が農業環境に及ぼす影響を、農業生産の変化に伴った外部効果の変化として「限界評価」を試みた研究である。本研究の分析結果は、今後、日本がFTA締結交渉をすすめて行く上での基礎データとしても有用だと考える。
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Research Products
(5 results)