2007 Fiscal Year Annual Research Report
音地図作成による移動ロボットのための空間的聴覚とその利用法の研究
Project/Area Number |
07J04753
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐々木 洋子 Tokyo University of Science, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロホンアレイ / 音源定位 / 音源分離 / 移動ロボット / 音声認識 |
Research Abstract |
広い範囲を動くロボットで、周囲の音をより確実に検出するために、反射や残響、干渉等の影響による精度劣化を低減する音源定位法を提案した。本手法は、点音源に対してマイクアレイで観測される音の感度分布をビームフォーミングのシミュレーションから導出し、メインローブモデルを定義することで、モデルに適合しない反射や干渉によって歪んだ成分を除外し、より複雑な環境で点音源を検出する手法である。提案法をロボット搭載型マイクアレイに実装し、移動中のロボットから、同時に5つの音源を検出可能であることを実証し、従来の音源同士の周波数独立を仮定した手法において問題となっていた、同時に扱い可能な音源数の限界を改善可能であることを示した。 また、ビームフォーミング時の感度分布から、音源定位・分離の性能を定量評価するための指標を定義し、シミュレーションによるマイクアレイの最適設計を行った。シミュレーション上で様々なマイク配置について指向特性を自動評価することで、最もビームフォーミングの性能を引き出す、ロボット搭載用の、直径360mm、128chマイクアレイを設計し、S/N比20dB以上を保障する、全方位に高感度なマイクアレイを実現した。 最終的なロボット聴覚システムの構築に向けて、音源定位、音源分離、音声認識の各機能を統合したオンラインシステムを構築し、認識の精度向上を目指した各機能の評価を行った。アプリケーション例として、任意の時刻、位置からのロボットへの音声指示認識を目的とした、雑音下で有効な指示語認識システムを構築し、複数人の同時発話や雑音下での離れた場所からの発話など、音圧差のある複数音源を検出可能であることを示した。
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Research Products
(3 results)