2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドトランジスタの実用化に向けた熱的安定性とデバイス特性の改善
Project/Area Number |
07J04779
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平間 一行 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ダイヤモンド / MOSFET / 水素終端 / ホール蓄積層 / チャネル移動度 / 面方位依存性 / カットオフ周波数 / Pチャネル |
Research Abstract |
ホール蓄積層をチャネルに用いたダイヤモンドMOSFETは優れたDC・RF特性を示し、出力電力密度ではすでにSi MOSFETやGaAs FETを上回るデバイスが作製されている。その一方、ホール蓄積層の形成メカニズムは未だ解明されておらず、高温環境におけるホール蓄積層とその接触抵抗の高抵抗化か実用化を妨げる問題となっている。 (1)そこで本研究ではまず、オーミック電極として従来のAuと比べて高温環境でより安定なTi/Pt/Auを利用した。Ti/Pt/Au電極をダイヤモンド上に蒸着後TiC層をアニールによって形成し、リモート水素プラズマ処理により形成したホール蓄積層をIV測定で評価した結果、250℃まではホール蓄積層の抵抗及び電極との接触抵抗に大きな変化はなく、安定したデバイス特性が得られることがわかった。 またこのオーミック電極を利用したダイヤモンドMOSFETは、相互コンダクタンス50mS/mm,最大発振周波数18GHzが得られた。さらに、Ti/Pt/Au電極直下に比抵抗〜1E-3Ωcmの低抵抗ボロンドープダイヤモンド層を導入することにより、〜1E-5Ωcm2の良好な固有接触抵抗を再現性良く得られることを実証した。 (2)続いてより高いドレイン電流を目指し、パッジベーションによるホール蓄積層自体の抵抗の低減を試みた。パッジベーション材料にPTFEを含むパーフルオロカーボンを利用した結果、ダイヤモンド(001)面において従来の約1/2である5kohm/sq.が得られ、単結晶ダイヤモンド基板に作製されたMOSFETでは最も高い最大ドレイン電流-350mA/mmが得られた。
|
Research Products
(7 results)