2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04798
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 繁子 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 出芽酵母 / [PSI^+] / 酵母のプリオン現象 / Sup35 / Hsp104 / 蛍光分子相関法(FCS) |
Research Abstract |
出芽酵母には、[PSI^+]などのタンパク質性の遺伝因子(酵母のプリオン現象)が存在する。[PSI^+]の原因タンパク質であるSup35(酵母プリオンタンパク質)がダイナミックにオリゴマー化し、そのオリゴマーがプリオンとして娘細胞に伝播していくことが1細胞におけるSup35タンパク質の動態を経時的に追うことで明らかとなった。プリオン現象が安定に伝播するためには、Hsp104という脱凝集にかかかるシャペロンが必要であることが遺伝学的解析結果から示唆されている。我々はHsp104と酵母プリオンとの関係を明らかにするために、細胞内におけるプリオンの分子動態、およびHsp104の分子動態を解析することにした。 Hsp104の機能をGuHCl処理によって阻害すると[PSI^+]が消失することが遺伝学的にわかっているが、その分子メカニズムは分かっていなかった。それを明らかにするために、我々は蛍光分子相関法(FCS)を用いて、GuHCl処理した細胞のSup35の動態を1細胞レベルで解析を行なった。その結果、母細胞には大きなアミロイド様のヒモ状凝集体が細胞質に形成され、その回りには[PSI^+]株に存在するオリゴマーが存在していた。このヒモ状の凝集体が形成されることは過去にLiebmanらのグループにより示されているが、この疑集体がいったいどのようなものなのか特徴付けは行なわれていない。このヒモ状凝集体をもった親細胞から出芽した娘細胞、孫細胞には世代を経るごとに親細胞におけるオリゴマーよりも分子サイズの小さなものが伝播されており、最終的にGuHClで処理された細胞集団は[psi^-]に近づいていることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
河合(野間)繁子, 田口英樹
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Journal Title
『蛋白質 核酸 酵素』増刊『キーワード:蛋白質の一生』Vol. 53No. 8(2008)p1079(共立出版)
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