2007 Fiscal Year Annual Research Report
木材の腐朽環境に存存する多様な微生物群に関するメタゲノム解析
Project/Area Number |
07J04815
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 朋子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 木材腐朽菌 / メタゲノム / メタトランスクリプトーム / 動態モニタリング / Phi29DNAポリメラーゼ / 腐朽初期段階 / 難培養性微生物 / 微量検出 |
Research Abstract |
木材腐朽菌は木質構造の強度劣化を引き起こすため木材腐朽菌の同定は住宅の維持管理のために重要な課題であると言える。しかし従来からの同定法は、菌をプレート上で培養するという手法であることから実際の腐朽状態を反映していない。そこで申請者らは現在までにDNAの非特異的増幅法を既存の方法に組み合わせることで、培養過程を経ないで、腐朽初期段階の微量な菌株サンプルの検出・同定を可能にする手法を確立した。この手法を基に、本研究では腐朽木材中の微生物の網羅的な動態モニタリングを行ってゆくことを研究目的としている。そのためにまず(1)「これまで行ってきた手法の更なる開発」を行う、次に(2)「(1)の手法を利用した難培養性微生物を含めた環境中の微生物学的多様性の特徴についての解析」を行う。サンプルの時間的変遷や空間分布等様々な条件でサンプリング調査を行い、そこから得られたデータを基に微生物の動態モニタリングが可能になる。また環境中に含まれる全微生物の機能遺伝子を網羅的にライブラリー化し、その発現量をモニタリングすることで防腐に役立てる知見が得られると考えている。本年度は、(1)に関して、Phi29DNAポリメラーゼを利用した環状及び鎖状のDNAの増幅法を確立した。増幅法を確立することで従来より格段に安価にDNAの増幅をすることが可能になった。また、キャピラリーシーケンサのプロトコルも作製した。これにより従来の解析結果の不安定さがなくなり確実に解析結果が出るようになった。さらに、従来の一万倍検出感度の高い新しい定量技術を取り入れることで、従来不可能であった腐朽初期段階の菌体DNA量も迅速・確実に定量測定ができるようになった。また、(2)に関して、一年目ではまず腐朽モデルを確立した。
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Research Products
(1 results)