2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖・脂質代謝を制御する核内受容体の内因性活性化因子に関する食品機能学的研究
Project/Area Number |
07J04826
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 剛 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | コレステロール / Geranylgeranyl pyrophosphate / 肥満 / メタボリックシンドローム / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
本研究では、コレステロール合成系の中間体であるFarnesyl pyrophosphate(FPP)やGeranylgeranyl pyrophosphate(GGPP)が、糖・脂質代謝異常症の発症と深く関連することが知られている脂肪細胞分化・成熟過程に対して与える影響について検討を行い、脂肪細胞内のコレステロール代謝系と脂肪細胞機能に関する新たな接点を見出すことを目的とした。 平成20年度の研究では、以下のような点を見出した。 1.培養前駆脂肪細胞において、RNAiによりGGPP合成酵素(GGPS)をノックダウンすると、細胞内GGPP量が減少した。この細胞に対して、分化誘導処理を施すと、脂肪細胞分化が促進した。この時、脂肪合成に重要なLiver X receptors(LXRs)の標的遺伝子発現量が増加しており、昨年度の研究結果と合わせて考えると、GGPPの脂肪細胞分化抑制作用にはLXRs経路が関与していることが示唆された。 2.分化誘導後の培養脂肪細胞に対するGGPP添加は、脂肪細胞特異的遺伝子の発現量を減少させた。また、培養脂肪細胞に対して、RNAiによりGGPsをノックダウンしたところ、脂肪細胞特異的遺伝子、LXRs標的遺伝子発現量が増加し、内因性GGPPが脂肪細胞の成熟過程においても機能していることが明らかになった。 3.食餌誘導性、遺伝性の両肥満モデルマウスの白色脂肪組織において、GGPSの発現量が増大していた。 脂肪蓄積はメタボリックシンドロームの診断基準の必須項目であり、飽食状況下の欧米・日本においては、脂肪細胞の機能に関する研究は非常に重要な研究課題の一つであると言える。肥満・メタボリックシンドローム発症の主要因である脂肪細胞の形成・発達機構に関する上記のような知見は、糖・脂質代謝異常症に対する.将来的な機能性食品や薬品開発の創製基盤になる可能性があるものと考えられた。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Teruo Kawada, et al.
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Journal Title
Section II : Genomic/proteomics and Diseases Chapter 5 : Obesity and Nuclear Receptors : Effective Genomic Strategies in Functional Foods. In : "Nutrigenomics and Proteomics in Health and Diseases-Impact of food factors-gene interactions"(Wiley-Blackwell
Pages: 47-58
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[Journal Article]2009
Author(s)
Tsuyoshi Goto, et al.
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Journal Title
Section III : Food Factors-gene interaction. Chapter 20 : Isoprenoids. In : "Nutrigenomics and Proteomics in Health and Diseases-Impact of food factors-gene interactions"(Wiley-Blackwell Publishing Companies, Iowa)
Pages: 301-310
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[Journal Article]2008
Author(s)
河田照雄, 他
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Journal Title
食品機能性の科学 第3章イソプレノイドの健康と病気 3. 5脂質代謝改善(産業技術サービスセンター、東京)
Pages: 62-64
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