2007 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害をもつ人たちにおける社会適応メカニズムの認知心理学的検討
Project/Area Number |
07J04910
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片桐 正敏 Hokkaido University, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | (軽度)発達障害 / 自閉性障害 / 連続性 / 自閉症スペクトラム指数 / 運動コヒーレンス閾値 / 特別な教育的ニーズ / IEP |
Research Abstract |
発達障害の一つである自閉性障害は,定型発達との症状の連続性が指摘されており,自閉症スペクトラム障害と言われることもある。その自閉症がスペクトラム性を持つと仮定し,定型発達者において認知特性の連続性を検討するアナログ研究として,「健常成人における自閉症尺度得点による視覚処理特性の違い」をまとめ,電子情報通信学会に研究成果を発表した。本研究は,健常成人を対象に自閉症スペクトラム指数(AQ),社会スキル得点,および運動コヒーレンス閾値を検討した。その結果,AQと社会スキル得点は運動コヒーレンス閾値と相関し,定型発達者における認知特性の連続性を示唆した。このことは,自閉症の中間表現系として存在する,LDやその他の「軽度発達障害」をもつ人たちにも,自閉症の認知的な側面が連続して存在し,自閉症と同じような行動的症状を持つ子どもたちにおいても,自閉症的な問題を持つ可能性を示唆するものである。 一方,臨床研究として,私が関わった2つの実践を通して,特別な教育的ニーズをもつ軽度発達障害をもつ子どもたちにおけるIEPのシステムの実践についての検討を行った。本論によって示唆されたことは,IEPに基づく実践は,子どもたちの支援の方向性が明確になり,子どもの成長が保護者,支援者ともに理解するのを助けるだけではなく,臨床に携わる人たちが成長できるという,教育的側面があるということであった。本研究は,北海道教育大学情緒障害教育学会にて研究成果を発表した。
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Research Products
(4 results)