2008 Fiscal Year Annual Research Report
TLX転写共役因子複合体の同定と解析による、神経幹細胞未分化維持機構の解明
Project/Area Number |
07J04938
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 敦 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オーファン核内受容体 / ヒストン脱メチル化酵素 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
ヒト網膜芽細胞腫由来細胞株Y79細胞を大量培養し、核抽出液を取得する実験系を確立し、オーファン核内受容体に結合する転写共役因子複合体としてヒストン脱メチル化酵素LSD1複合体を見出した。 その後の解析により、LSD1はTLXに直接結合し、ヒストン脱メチル化活性によりTLXの転写抑制機能を担っている共役転写抑制因子であることが判明した。さらに、LSD1はヒストン脱アセチル化酵素であるHADc1/2をリクルートし、そのヒストン脱アセチル化活性を発揮させていることがわかった。また、TLXはLSD1複合体を標的遺伝子上にリクルートすることにより、標的遺伝子の一つであるPTEN遺伝子の発現を抑制し細胞増殖を正に制御していることが示唆されるデータを得ることが出来た。これらの結果は、原著論文として科学誌に掲載された。(Yokoyama et al,Mol Cell Biol,in press) さらに、LSD1転写共役因子複合体が各細胞株において異なった構成因子により存在するとの仮説のもと、様々な肺胞株を用いて生化学的な精製実験を行ったところ、マウス神経芽腫由来細胞株Neuro2a細胞の核抽出液から新規の相互作用因子の取得に成功し、数種類の新規LSD1複合体構成因子を同定することに成功することができた。なかでも、神経細胞特異的に発現する因子を数種得ることができたため、これらの因子について神経分化における役割について現在鋭意解析中である。
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Research Products
(4 results)